「自分で頼む」と「丸ごと任せる」は何が違うか
グッズを作る方法は、大きく2つに分かれます。ひとつは、自分で業者のサイトを探して、自分で入稿データを作って、自分で注文する方法。もうひとつが、窓口をひとつにして、そこから先をまとめて任せる方法です。
前者は、作るものと数がはっきり決まっていて、データも手元にある人には一番早い。逆に「何を何個作ればいいのかから迷っている」「データはイラストレーターさんから受け取ったままの状態」という段階だと、注文画面にたどり着く前に止まります。止まる場所はだいたい同じで、数量、データの形式、そして納期の3つです。
丸ごと任せるというのは、この3つを自分で解決してから注文するのではなく、解決するところから一緒にやるという意味になります。
どこまで任せられるか
グッズが手元に届くまでには、いくつもの工程があります。任せられる範囲は、ざっくり次のとおりです。
- 何を作るかを決めるところ配る場面と渡す相手から逆算して、向いているアイテムを絞り込みます。作りたいものが決まっている場合は、この工程は飛ばします。
- 入稿データを整えるところ手元にある画像やイラストを、実際に刷れる形に整えます。線が細すぎて消える、文字が小さすぎてつぶれる、といった事故はこの工程で潰します。
- どこで作るかを選ぶところ同じアイテムでも、作る場所によって向き不向きがあります。数、仕上がり、間に合うかどうかを見て選びます。
- 検品と、届け方できあがったものをそのまま送るのではなく、誰が何を見るかを先に決めてから受け取ります。
逆に言うと、任せるかどうかはこの工程ごとに決められます。「データは自分で作るけど、作る場所だけ探してほしい」という頼み方もできます。
任せても、自分で決めることは残る
丸ごと任せると言っても、こちらが勝手に決められないことがあります。むしろ、ここだけは決めてもらわないと先に進みません。
ひとつは誰に渡すか。全員に配るのか、来てくれた人の中の一部に渡すのかで、作る数も、かけられる手間も変わります。もうひとつはいつ渡すか。日付が決まっていれば、そこから逆算して現実的な選択肢を出せます。そしてどんな場面で渡すか。ライブの物販台に並べるのか、当日手渡しするのか、後から郵送するのかで、向いている形が変わります。
この3つさえあれば、アイテムも数もデザインも、後から一緒に決められます。
相談してから手元に届くまで
順番としては、相談 → 何を作るか決める → データを整える → サンプルを確認する → 本生産 → 検品 → 納品、という流れになります。
この中で、飛ばさないようにしているのがサンプルの確認です。画面で見た色と、実際に刷り上がった色は必ずしも一致しません。素材によっても変わります。本生産に入る前に現物を一度見ておくと、「届いたら思っていたのと違う」がほぼ起きなくなります。
納期についても、工場が出してきた日数をそのままお伝えすることはしていません。データのやり取りや、確認の往復に使う時間を上乗せしてお答えしています。ぎりぎりの日程を伝えて当日に間に合わないほうが、結果として困るからです。
よくある心配
データがない。手元にあるのがスマホで撮った写真や、ラフな手描きだけ、という状態からでも相談できます。そこから先、どうすれば使える形になるかを一緒に考えるところが仕事です。
個数が決まっていない。むしろ最初から正確な数が出ている人のほうが少ないです。来る人数の見込みから逆算する方法があるので、その話から始めて問題ありません。
急いでいる。日付が近い場合は、まず間に合う選択肢だけを出します。間に合わないものを勧めても意味がないので、何を諦めれば間に合うかという形でお伝えします。
間に人が入ると、高くつくのでは
よく聞かれます。結論から言うと、工程をいくつ任せるかで変わるので、一律に高くなるとも安くなるとも言えません。
はっきりしているのは、自分で全部やる場合にかかっているのは金額だけではない、ということです。業者を探して比べる時間、データの形式が合わずに作り直す時間、届いたものが違ったときにやり取りする時間。これらは請求書には出てきませんが、確実にかかっています。特に、渡す日が決まっている場合は、この時間が一番足りなくなります。
逆に、作るものと数がはっきり決まっていて、入稿データもそのまま通る形で手元にあるなら、自分で頼んだほうが早くて安い場面もあります。そこは正直にお伝えします。