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地下アイドルの物販、初めてのグッズの作り方と発注の順番

次のワンマンかツーマンで、初めて自分たちのグッズを出すことになった方に向けて書いています。物販台に立つのは、いつもチェキを回している運営と、手伝いの一人。「グッズ 作り方」で調べても返ってくるのは物販列の並び方とチェキ列のマナー、あとはアイテムのカタログばかりで、何個作るのか、いつまでに発注すれば当日に間に合うのか、売れ残った分をどこに置くのか、という肝心なところが出てきません。この記事では、その三つを決める順番を、当日の物販台に間に合う並びで書きます。

ライブ会場の物販台に並べたグッズのイメージ
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最初の一種類は、チェキと特典の隣に置くものとして選ぶ

物販台の上には、すでにチェキと特典があります。初めてのグッズは、その隣に置くものとして選びます。「かわいいものを作りたい」から入ると、チェキの代わりに買われるものができて、台の上で場所を取ったまま残ります。お客さんの財布は一つで、チェキに向かう流れを奪っても売上は増えません。

埋めるべき穴は二つあります。チェキを買った人が一緒に持ち帰るもの。そして、チェキの列に並ばない人が記念に手に取るものです。前者は撮り終えた流れのまま手が伸びる位置に置く役、後者はステージを見終えた人が何も持たずに帰るのを引き止める役です。

どちらを選ぶかで、作るものの性格が変わります。前者なら、鞄に入る軽さと、家でチェキと並べられることが効きます。後者なら、会場の外で使えること、他人に見える場所で持てることが効きます。

どちらを埋めるかは、自分たちの台を思い出せば決まります。チェキの列は伸びるのに台の前が静かなら、買った人がもう一つ持ち帰れるものが足りていません。チェキには並ばず会場に残る人や、終演後に声だけかけて帰る人が目につくなら、記念に持ち帰れるものが無いということです。両方当てはまるなら前者からです。すでに財布を出している人の隣のほうが、同じ数でも減りが早いです。

何個作るかは、動員数ではなくチェキの出方から決める

動員数に何かを掛けて出した数は、たいてい外れます。会場にいる人と、台で財布を出す人は別の集まりです。

見るのは、自分たちの過去のライブでチェキが何枚出たかです。チェキを買った人は、すでに「この子にお金を出す」と決めた人で、グッズを買う人と重なります。手元の売上メモか当日の集計から、直近の何本か分を並べてみてください。比べられるワンマンがまだ無ければ、対バンの回の数字をそのまま置いてかまいません。ワンマンは来る顔ぶれが自分たちのファンに寄るので、そこから上下します。置いた数字ごと相談してもらえれば、どちらに振れそうかは一緒に測れます。

基準は、並べたうちの一番低かった回に置くことをすすめています。一番良かった回に合わせると、あの回が当たりだった場合に差を全部抱えます。メンバーごとの偏りも目に入りますが、一種類目は人別に分けないほうが楽です。グループ名やロゴだけにしておけば、誰が何枚という話を本人たちに持ち出さずに数を決められます。人別に変えるのは、売れ方が読めるようになってからで間に合います。

数量には階段があって、ある数を超えると一個あたりが下がります。基準の数が段の手前なら一段上を考えますが、軸は「増えた分が次のライブでも売れるか」だけです。売れないなら、一個あたりが下がっても、使われないものに払った額が増えます。

ライブ当日から逆算して、何をいつまでに決めるか

納期は、ライブ当日から後ろ向きに並べると見えます。当日に間に合わせるには、デザイン確定、サンプル、本生産、検品、納品の五段階を順番に終わらせます。デザインが固まらないうちにサンプルは作れず、サンプルを見ないうちに本生産には入れません。

それぞれの間には余白が要ります。サンプルを見て色を変えたくなることもあり、箱を開けてから当日までに検品と値付けをする時間も必要です。隙間なく詰めた日程は、どこか一つがずれた瞬間に当日へ届きません。

実際に詰まるのは、ほぼデザイン確定です。ここが動くと、後ろの全部が同じだけずれます。メンバー全員の確認が揃わない、絵を描いてくれた人からのデータが来ない、ロゴの元データが見つからない——止まる理由はだいたいこのあたりで、ここが一番時間を食います。ただ、その締め切りを自分たちで出す必要はありません。ライブの日付を教えてもらえれば、デザインをいつまでに固めるかはこちらで逆算して置きます。

本発注の前には、必ず現物のサンプルを取ります。うちはここを省きません。既製のサンプルで済ませると、画面の色と手元の色が違うという一番戻せない失敗が、本生産の後に来ます。色味と手触りは、届いた現物でしか確認できません。ただし量産では、同じデータでも生産の回ごとに色味が多少ばらつきます。サンプルは「これで合っている」を決めるもので、保証書ではありません。

ライブ当日から逆算した、デザイン確定・サンプル・本生産・検品・納品の五つの工程と、そのあいだに置く余白を示した図 ライブ当日から後ろ向きに並べる 決める順番は右から左へ デザイン確定 余白 サンプル 余白 本生産 余白 検品 余白 納品 当日 ここが動くと全部ずれる 前の工程が終わらないと、後ろの工程は始まりません 帯のあいだの余白が、直しと確認の入る場所です
図:ライブ当日から逆算した五つの工程。右から左に埋まっていきます。

この五段階をどこまで預けられるのかは、グッズの発注を丸ごと任せるって、どういうこと?に書いています。

売れ残った分がどこへ行くかを、作る前に決めておく

作る前に決めるのがもう一つ、売れ残った分がどこへ行くかです。ちょうど売り切れることは、ほとんどありません。残る前提で選べば、残ったときの話が「失敗」ではなく「次に回す」で済みます。

仕分けは単純で、次のライブでも売れるものと、その日しか売れないものに分けます。

次のライブでも売れるもの

グループ名やロゴだけで、いつ買っても成立するものです。残った分は次の現場の台に戻せます。一種類目はこちらに寄せると退路があります。

その日しか売れないもの

日付、公演名、周年の表記が入った瞬間に、過ぎた分は在庫ではなく思い出の紙束になります。出すなら、残っても惜しくない数に抑えます。

記念の日付を入れたい気持ちは分かります。ただ、文字を一行足すだけで売れる期間がその日までに縮みます。入れるなら売り切れる見込みの数に留めて、残りはロゴだけの版にする手もあります。

そして、箱の置き場所です。誰の家に置くのか、オンラインで出すのか、次の現場まで運ぶのか。箱はたいてい誰か一人の部屋に来ます。その部屋に積める量が、作れる量の上限です。うちも在庫は持たない方針です。置き場所を決めてから数を決めると、決め方そのものが変わります。

前に作ったステッカーの残りのように、手元にあるものも同じ台に並べる前提で数えます。先に売り切るなら、新しい一種類目はその分だけ少なくて足ります。

発注の前に決めておく五つと、検品を誰がやるか

相談を始めるときに、埋まっていると早いものが五つあります。

  • 何を品目は決まっていなくてかまいません。チェキの隣か、買わない人の分か、どちらを埋めるかだけです。
  • いつライブの日付。動かせないので最初に教えてください。逆算の起点です。
  • 誰にメンバーのファンに向けるのか、グループ全体のものにするのか。一種類目なら後者で十分です。
  • 何個くらい過去のチェキの出方から置いた数。幅のある言い方でかまいません。
  • データはあるかロゴや名前の元データが手元にあるか、これから作るか。無くても進めます。

五つとも埋まっている必要はありません。日付と「何を何個くらい」の二つだけでも相談は始められて、残りはこちらから順番に聞きます。決まっていなくていいことと、決まっていると早いことは相談するとき、決まっていなくていいことに分けて書きました。

納品の前に決めておくのは、検品をどこまでやるかです。人手が二人なら誰がやるかは決まりきっているので、問題は全部開けて見るのか抜き取りで済ませるのかです。初めての一回は、全部開けて見てください。自分たちの一種類目がどう上がってくるかを、まだ誰も知らないからです。あわせて、何をおかしい扱いにするかも発注の前に取り決めます。刷り位置のずれ、見本との色の違い、傷をどこまで見るか。線を先に引いておけば、箱を開けたときに「これは言っていいのか」で止まりません。

決めずにいると、当日の朝に会場で箱を開けて、初めて中身を見ることになります。ずれや色の違いが見つかっても、開始までにできることはほとんどありません。値付けと袋詰めも前の晩までに終わらせて、当日は並べるだけにします。チェキを回しながら会計と釣り銭が増えると、二人の台では列の進みが落ちます。

相談のときに書いてもらうのは、ライブの日付と、何を何個くらい出したいか。その二行で足ります。

個数も予算感も、まだ決まっていなくて大丈夫です。

ライブの日付と、何を何個くらい出したいかだけ教えてください。そこから一緒に決めていけます。

本文の内容は一般的な傾向をまとめたものです。実際の仕様・数量・納期は、ご相談内容に応じて個別にご案内します。

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はるる グッズ作戦室担当。配信者・タレントの周年グッズやライブ物販の相談を、DMベースで受けています。