周年は店、生誕はキャスト個人——決める人が違う
「コンカフェ 周年 グッズ」で出てくるのは、客が推しに何を贈るかという話がほとんどだ。この記事で扱うのはその逆側で、店の側が当日に配る物と売る物を、誰がどの順番で決めるのかという話になる。
周年は店の名前で配る。だから決めるのは店だ。何を作るか、何個作るか、どこまで金を出すかを決めるのは店長で、キャストは当日それを渡す側に回る。店のロゴや店名が入る物を、キャスト個人の判断で勝手に増やすことはできない。店の周年だけをやるなら、押さえるのはここまででいい。生誕も一緒にやる、あるいは周年でもキャスト個人の名前が入る物を作るなら、次の段落から先も効いてくる。
生誕は逆で、渡す相手はそのキャスト個人についているファンだ。決めるのは本人になる。デザインの好み、写真をどれにするかは本人の領分だ。費用を誰が出すかは店によって違う——本人が出す店も、店が持つ店もある。ここも先に決める。店が持つのは場所と当日の段取り——何時から誰が入るか、卓をどう回すか、どこに置くか——だ。
決める人が曖昧なまま詰まるのは、生誕と、周年でもキャスト個人の名前や写真が入る物を作るときだ。店の名前だけで出す物は店長が決めて終わる。個人の名前が入る物はそうならない。店長は本人が自分で動いていると思い、本人は店が発注してくれると思う。互いに確認しないので、デザインも個数も決まらないまま日程だけが残る。今回の発注を誰の名前でかけるのかを一言決めておけば、これは起きない。
店全体で配るものと、個人で配るものは分けて考える
作る物は二つに分かれる。店の名前で全員に同じ物を出すか、キャスト個人の名前や写真を入れて個別に作るかだ。この二つは決める人も配り方も違うので、最初から別の列で考える。
店の名前で出す側は、誰に渡しても成立する物になる。ステッカー、コースター、ドリンクに添える紙のカード、名前を入れないラバーキーホルダー、当日限定のミニトート。全員に同じ物を渡すので、枚数の読みも一本で済む。
個人の側は、名前と写真が入るぶん一人ずつ別の物になる。ブロマイド、缶バッジ、アクリルスタンド、生誕の日付を入れたポストカード。参加するキャストの人数だけ種類が増えるので、デザインのやり取りも人数分が並走する。
片側に寄せると、寄せなかった側が当日に出る。店の物だけにすると、特定のキャストを目当てに来た客の手元には店名の入った物しか残らない。個人の物だけにすると、店の周年なのに店の名前が一つも残らないうえ、自分で用意できたキャストとできなかったキャストの差が卓に並ぶ。両方を少しずつ持つ形が、当日いちばん静かに済む。
間に合わせるには、決める順番から
間に合うかどうかは、残りの日数より決める順番で決まる。工程はデザイン確定 → サンプル(先に一つだけ作って現物を見る)→ 本生産(必要な数をまとめて作る)→ 検品(届いた物を人の目で確かめる)→ 納品の五つで、この順番は入れ替わらない。デザインが固まらないとサンプルが作れず、サンプルを見ないと本生産に入れないからだ。
時間を食うのは前半の二つだ。デザインの往復——文字を直す、色を変える、写真を差し替える——は、直した回数だけ日が乗る。もう一つはサンプルの行き来で、これは現物が動くので、こちら側の都合では詰められない。
このサイトをやっているグッズ作戦室では、本発注の前に必ず現物のサンプルを取る。例外は作らない。画面の色と刷り上がりの色は違うし、手に持ったときの大きさや厚みは画像では分からない。ここを飛ばすと、本生産が全部終わった後で気づくことになる。
日を詰めないところも決めている。作る側から出てきた「この日までにできます」という日付をそのまま答えにせず、余白を足した日付で答える。工程と工程の間にも、デザインの直しが一度入る前提で日を残す。逆算の最後には、納品されてから当日までに検品と仕分けをする日を残す。ここを詰めると、その作業が当日の朝に来る。
日程の逆算がまだ組めない段階でも、今日決められることが二つある。一つは、今回の発注を誰の名前でかけるか——店か、キャスト個人か。もう一つは、デザインのデータが手元にあるかの確認だ。ロゴや写真が使える形で残っているか、新しく描いてもらう必要があるか。この二つが決まらないと、何日前までに動けばいいかを聞いても答えは返らない。
この逆算を自分で組むのが難しければ、グッズの発注を丸ごと任せるって、どういうこと?という手もある。工程を預けてしまえば、店の側が握るのは日程と、誰の名前で出すかだけになる。
来店数の見込みから個数を決める考え方
個数を最初に決めると外す。先に決めるのは、誰に渡すかだ。当日来た人全員に配るのか、何かを買った人だけに付けるのか、指名した人だけに渡すのか。この三つは、同じ来店数でも必要な数が変わる。
相談を受けたとき、グッズ作戦室が最初に整理するのは五つだけだ。
- 何を作るか決まっていなければ、配る場面から絞る。
- いつまでに要るか当日の日付と、その前に渡す日があるか。
- 誰に渡すか全員か、買った人か、指名した人か。
- 何個くらいか正確でなくていい。幅で答えて構わない。
- デザインのデータが手元にあるかロゴや写真が、使える形で残っているか。
この五つが埋まると個数の話ができる。埋まらないまま品目から入ると、後で全部やり直しになる。
来店の見込みは、店の常連数からは出ない。周年に来るのも、それぞれのキャストについている客だ。だから出勤するキャスト一人ずつに何人来そうかを出して足す。その合計が土台になる。その上に告知を出した後の反応——予約の入り方、メッセージや反応の動き——が乗り、部制でやっている店なら、何部あるか、席を何回転させるかで上限が決まる。
足りないのと余るのは、痛みの向きが違う。配る物は足りない方が痛い。渡せない客がその場に出るし、当日に増やす手はない。売る物も出すなら、そちらは余る方が痛い。売れ残りはそのまま在庫として残る。だから配る物は見込みより少し上、売る物は少し下で置く。
1個あたりの値段には階段がある。数が増えるほど下がるが、なめらかに下がるのではなく、ある数を越えたところで段になって落ちる。だから発注の前に、頼む先に次の段がどこにあるかを聞く。段の少し手前で止まっているなら、数を足した方が全体では軽くなることがある。
当日までに手元にないと困るもの
納品されれば終わり、ではない。箱が届いた状態と、客に渡せる状態の間には作業が残っている。ここを見ていないと、当日の開店前に全員で箱を開ける展開になる。
検品は、発注の前に担当を決める。誰が見るか、何を見るか、何個見るかの三つだ。全数を見るのか、箱から抜いて見るのか。印刷のズレを見るのか、傷を見るのか、数が合っているかを見るのか。決めずに納品日を迎えると、誰も見ないまま卓に出るか、店長が一人で夜中に全部開けるかのどちらかになる。
包装と仕分けも作業だ。個人の物はキャストごとに分けて、本人が卓でそのまま渡せる形にしておく。袋に入れるのか、厚紙の台紙に留めて一枚の形にするのか、番号を振るのか。まとめて届いた物を当日その場で分けるのが、いちばん間違いが出る。
当日の物理も決めておく。どこに置くか、卓の下かバックヤードか。誰が配るか。残りをどう数えるか。配る担当が決まっていないと、手が空いた人がその都度渡すことになり、二重に受け取る客と受け取らない客が出る。
当日の段取りをどこから決めるかは、周年・生誕祭で配るもの|幹事が最初に決めることに決める順で並べてある。