先に決めるのは、渡す日が何月かです
パーカーは裏地が2種類あって、ここで着られる季節が変わります。渡す日が何月かを先に置いてください。
裏毛は、表がなめらかで、裏がタオルのようなループになっている生地です。吸水と通気があるので春と秋に着られますが、真冬には薄く感じます。裏起毛は、その裏側のループの糸を毛羽立たせて、起毛の面にしたものです。暖かくなるぶん厚く重くなります。
裏起毛は冬だけの物になります。12月の現場で売るなら裏起毛が強く、10月のライブや翌春まで着てもらいたいなら裏毛です。渡す日が決まっていないうちは、裏毛にしておくほうが着られる月が長くなります。
厚さはオンスで書かれています
生地の厚さはオンスで表記されます。1オンスは28.35gで、1平方ヤードあたりの重さです。数字が大きいほど厚く重くなります。パーカーは、おおむね8オンス台から12オンス台までの幅で選びます。
- 8オンス台
- 薄手です。重ね着しやすく、春と秋の物販や、スタッフが上に羽織る用途に向きます。生地が薄いので、裏地の起毛は入りません。
- 10オンス前後
- 定番です。薄くも厚くもない厚みで、裏毛と裏起毛の両方があります。どれにするか決まらないときの置き場所になります。
- 12オンス台
- 厚手です。冬の屋外と、長く着てもらいたい物に向きます。重いので、通販で送る分の箱が大きくなります。
素材は綿100%のものと、綿とポリエステルを混ぜたものがあります。混ぜたほうは乾きが早く、綿が多いほうは刷った色が沈まずに出ます。写真やフルカラーの絵柄を入れるなら、綿が多いほうを選んでください。
プルオーバーかジップかは、絵柄の大きさで決まります
形は、かぶるプルオーバーと、前が開くジップの2つです。着る側の好みで選びたくなりますが、前面に入れられる絵柄の大きさが変わるので、絵柄から決めたほうが後で困りません。
ジップは前の中央をジップが縦に通ります。金具とその周りには刷れないので、前面は右胸と左胸に分かれます。1か所の枠は100×100mmほどで、胸のワンポイントの大きさです。前の真ん中に大きく文字を入れたい絵柄は、ここに入りません。
プルオーバーは前が1枚なので、胸から下まで続けて使えます。ただし、前面のポケットの上は生地がたわむため刷れないことがあります。シートを貼る方式なら受けてもらえることもあるので、ポケットにまたがる絵柄にしたいときは、形を決める前に言ってください。
背面はどちらの形でも一番広く、おおむね297×406mmの枠が取れます。ここで気をつけるのは、着たときにフードが背中に垂れて絵柄の上を覆うことです。フードの縫い目から12〜15cmほど下げます。目安はSで12〜13cm、MとLで13〜14cm、XLで14〜15cmです。サイズごとに下げる量が違うので、同じ絵柄でもサイズごとに位置の指定が入ります。
刷り方で、版が要るかどうかが分かれます
パーカーに入れる方法は4つあります。選び方はTシャツと同じですが、生地が厚いぶん、ベタ塗りの広い面はかすれが出やすくなります。
- シルクスクリーン色ごとに版を作ります。版が要るので最初に決めた色数で止まりますが、枚数が多いときに向きます。グラデーションとぼかしは出ません。版を保管しない決まりのところがあり、追加のときも版から作り直しになります。
- フィルムの転写版が要りません。フィルムに刷って熱で貼り付けます。フルカラーが出ますが、金・銀・蛍光の色は出ません。ぼかしと半透明も使えません。シートを貼った手ざわりになります。
- インクジェット版が要らず、フルカラーと写真が出ます。濃い色の生地では下地に白を敷く処理が入ります。
- 刺繍決まった糸の色から選びます。洗っても落ちず、服としての見栄えが一番上がります。細い線と小さい文字は出ないので、ロゴか文字を数文字に向きます。
入れられるのは胸・背面・肩・袖です。箇所を増やすと、そのぶん刷る工程が増えます。前と後ろの両方に入れるか、背面1か所で足りるかを、絵柄を作る前に決めてください。
単位は総枚数ではなく、サイズごとの枚数です
注文の単位は、品目によっては1枚からです。版の要らない方式なら1枚で作れますし、はじめの1回だけまとまった枚数で、追加は1枚から受けるという刻みのところもあります。刻みは頼む先で変わるので、少ないと思う枚数のまま聞いてもらって大丈夫です。
決めるのは総枚数ではありません。サイズごとに何枚かです。パーカーのサイズは、ボディによって4サイズのものから、子ども用を含めて10サイズを超えるものまであります。
- S
- 身丈64cm・身幅47cm(別のボディでは62cm・52cm)
- M
- 身丈67cm・身幅50cm(同66cm・55cm)
- L
- 身丈70cm・身幅53cm(同70cm・58cm)
- XL
- 身丈73cm・身幅56cm(同75cm・63cm)
- 2XL
- 身丈76cm・身幅59cm(同80cm・68cm)
同じLでも、ボディが違うと身幅が5cm違います。サイズ表を見ないで「Lを多めに」と決めると、届いた物が想像と違うことになります。注文するボディの寸法表を見て、そのうえでサイズを振ってください。生産の回によって数cmの差が出ることもあります。
物販では、色を増やすよりサイズに枚数を回します
パーカーは、缶バッジやステッカーに比べて買う人の数が少なくなる品目です。そこに色展開を増やすと、色とサイズの掛け算で品目が増えて、1つあたりの枚数が削られます。
売り場で起きるのは、ほしい色が残っていてもサイズが無い、という形の売れ残りです。色は1色にして、その1色のサイズを厚く持つほうが、最後まで売れます。
読めないなら、受注にしてしまうのが一番合う品目です。サイズの内訳を買う人に決めてもらえるので、在庫がゼロで済みます。受注にするときは、注文を取る前に寸法表を出しておいてください。
台に出すのは、1枚をハンガーで吊る形です。たたんで積むとフードと絵柄が見えません。寸法表を台に貼っておくと、サイズを聞かれる回数が減ります。
服に日付を入れると、その年しか着られません
パーカーは外で着る物なので、年号と日付を本体に入れると、翌年から着る理由が無くなります。余った分も次の現場に出せません。
日付は下げ札か、袋に入れる紙に刷ってください。本体には日付の入らない絵柄を置きます。裏毛で、年号を入れずに作れば、次のシーズンもそのまま売れます。
追加するときに気をつけるのは、ボディの色の入れ替わりです。パーカーのボディは品番ごとに扱う色が変わるので、1年後に同じ色が無くなっていることがあります。続けて売りたい絵柄なら、追加のときに同じ色があるかを先に確かめます。
相手が変わると、先に決めることが変わります
事務所や会社の名前で出すなら、刷り方と生地と色数、刷る箇所、そしてサイズ展開を見積書の前に決めてください。この5つが動くと金額の段が全部動きます。社内で枚数を削られる可能性があるなら、版の要らない方式に寄せておくと、削られても形が崩れません。詳しくは事務所・会社の名前でグッズを発注するに書いています。
有志の企画でパーカーを作るなら、名前や絵を使う許諾を先に取ります。あわせて、集金のときにサイズを聞いてください。後から聞くと、集めた人数とサイズの合計が合わなくなります。
自分の分を自分で作るなら、箱が届く場所を先に決めます。パーカーは枚数が同じでもTシャツより箱が大きくなります。本人(個人)でグッズを作るに、受け取りと検品の分け方を書いています。
相談するときに、こちらが先にうかがう5つ
渡す日と人数しか決まっていなくても大丈夫です。生地も刷り方も、こちらから選択肢を出します。グッズ作戦室では、本生産の前にサンプルで色の出方と生地の手ざわりを確かめる工程を飛ばしません。パーカーは色が沈みやすい品目なので、ここを見ないと刷り上がりが想像と変わります。
- 渡す日何月かで裏地が決まります。日付だけでも、間に合うかからお答えします。
- 前面に大きく入れたいかここでプルオーバーかジップかが決まります。
- 絵柄の色数と、細い線があるか刷り方が決まります。文字だけなら刺繍も選べます。
- 売るのか配るのか売るならサイズを厚く、配るなら薄手に寄せます。
- 箱を受け取れる場所自宅か、事務所か、会場かで送り先が変わります。
送る一通目は、こう書けば足ります。「はじめまして。12月のライブの物販でパーカーを売りたいです。前の真ん中に大きく文字を入れたいです。枚数はまだ決めていません。金額と、間に合うかを知りたいです。」