判型は、中に何を入れるかで決まります
先に決めるのは絵柄ではなく大きさです。入れる紙が決まれば判型は自動的に決まります。
- A4
- 220×310mmで、いちばん定番の大きさです。セットリスト、チラシ、通販の明細といったA4の紙が折らずに入ります。当日その場で紙を渡すならこれです。
- B5
- 193×271mm。A4より一回り小さく、学校やノートまわりの紙に合います。
- A5
- 153×220mmで、A4の半分です。ブロマイドやポストカードを入れる大きさで、鞄にそのまま入ります。物販で単体で売る物に向きます。
- A6
- 110×157mm。ハガキやチェキに近い大きさで、他のグッズと一緒に袋に入れても膨らみません。
- A3
- 310×435mmで、クリアファイルでは最大です。ポスターやA3のペーパーを折らずに持ち帰らせたいときに使います。
このほかに、A4を三つ折りの大きさに畳んだ形や、内側にポケットを足した形、名刺が差せるスリットを入れた形があります。手提げと一体になったバッグ型や封筒型もあります。ここは定番の判型から外れるので、作りたい形を言葉で伝えてもらえれば、それが作れる形かを先にお返しします。
素材は4系統、透明を選ぶかどうかが分かれ目です
素材で変わるのは3つです。中身が透けるか、両面に刷れるか、端まで刷れるかです。
- 透明PP
- 厚さ0.2mm。両面の全面に刷れて、白版のあり・なしを選べます。クリアファイルといって思い浮かぶのはこれです。
- 白PP
- 厚さ0.2mm。素材そのものが白なので、白版を作らなくても絵柄がそのまま出ます。中身は透けません。写真やフルカラーの絵柄を使うなら、ここがいちばん手間が少なくなります。
- PET
- 厚さ0.135mm。表面がマットで、刷れるのは片面、しかもふちを残した範囲です。透明度はPPより落ちます。
- 紙製・和紙
- 厚さはおよそ0.16mmと0.2mm。片面のふちを残した刷りで、地模様があるため写真には向きません。プラスチックを使わない形にしたいときの選択です。
厚さは0.2mmが一般的で、0.3mmの厚手を扱うところもあります。ここは手ざわりだけの話ではありません。A4で1枚あたり0.2mmならおよそ26g、0.3mmならおよそ43gです。通販で送る品目に入れるなら、この差が送料の区切りをまたぐことがあります。
白版は、中の書類に負けないための下地です
透明な素材にそのまま刷ると、入れた紙の文字が絵柄の上に重なって見えます。白版は、透けさせたくない場所の下に白インクを刷る版です。
全面を不透明にするだけなら、白版のデータを作る必要はありません。注文のときに全面に白を敷く指定として伝えれば済みます。データとして白版を作るのは、一部だけ透かせたいときです。顔の周りだけ白を敷いて背景は透かす、という作りがこれにあたります。
データの決まりは、アクリルの白版と似ていますが数字が違います。白版は絵柄の版より天地左右とも0.15mm小さく作ります。刷るときに少しずれても、白が絵柄の外にはみ出して縁が光らないようにするためです。そして1mm以下の細い線や点には白版を入れません。ずれたときに白のほうが先に見えてしまうからです。PPは伸びやすい素材なので、このずれは出る前提で作ります。
白版そのものの作り方をもっと細かく知りたいときは、アクリルスタンド(アクスタ)を作るに書いてあります。考え方は同じで、下地にするか透かすかの判断だけがクリアファイルでは中身の紙に向きます。
刷り方で、作れる最小の枚数が変わります
クリアファイルには刷り方が2つあります。どちらを選ぶかで、作れる最小の枚数が1桁変わります。
版を使って刷ります。版を起こすぶん、ある程度の枚数から受けるところが多く、箔押しのような後加工も載ります。枚数が出る物はこちらです。
版を使いません。少ない枚数から作れるので、売れるかを見てから足す形が取れます。
作れる最小の枚数とその刻みは頼む先で変わります。小さいと思う数のままで構わないので、そのまま言ってもらえれば、その数で収まる刷り方から出します。
もう1つ、届く箱の形が変わります。1箱あたりの入数は刷り方で決まっていて、オフセットのほうが1箱にたくさん入ります。箱の数は、頼んだ枚数をこの入数で割った数になります。A4のクリアファイルが平らに入る箱なので、1箱でもA4の紙と同じ面積の置き場所が要ります。受け取る場所を発注の前に決めてください。
版が要るのはオフセットだけです
型はありません。版が要るのはオフセットだけで、オンデマンドなら版の費用が立ちません。少ない数で試して、売れた分を見てから足せるのはオンデマンドのほうです。
絵柄を増やしたときに増えるのは、絵柄ごとのデータの作業です。白版を部分的に入れる作りなら、絵柄の数だけ白版を起こします。10種類なら10回です。絵柄を何種類にするかは、描き始める前に決めたほうが軽く済みます。
端まで絵を回したいときは、両端を貼り合わせた部分も含めて全面に刷れる作りがあります。ただし刷りには縮みとずれがあるので、テンプレートの端ぎりぎりに文字やロゴを置くと欠けます。切れてはいけない文字は内側に寄せてください。
物販では、中に紙を入れて1点にします
クリアファイルにはサイズ展開がありません。Tシャツやパーカーのように同じ絵柄がサイズの数だけ分かれないので、1種類に枚数を全部寄せられます。読みが外れにくい品目です。
そのかわり、単体では手に取られにくい品目でもあります。透明な袋に入ったクリアファイルは、台に平積みすると絵柄が見えません。効くのは次の3つです。
- 立てて並べる絵柄の面が客席側を向いていないと、何が描いてあるか分かりません。立てる台が無ければ、1枚を台の後ろの壁に貼ってください。
- 中に紙を入れて見せる透明な素材を選んだなら、中身が見えることが売り場では利点になります。ブロマイドやポストカードを入れた状態を1点として出すと、クリアファイル単体より手に取られます。
- 折れないようにして渡す曲がる品目なので、他のグッズと一緒に袋に入れると角が折れます。袋の中でいちばん外側に入れるか、クリアファイル自体を他のグッズを入れる袋として使ってください。
薄くて軽いので、通販に回すのにも向きます。缶バッジやステッカーと一緒に封筒で送れる品目です。ステッカーと組み合わせると、どちらも折れずに1通で収まります。
年号を入れると、使うのをやめさせることになります
クリアファイルは、買った人が書類を入れて何年も使います。ここに去年の日付や「第◯回」が刷ってあると、使うのをやめる理由になります。余りも翌年には出せません。
日付は、中に入れる紙に刷ってください。セットリストやサンクスカードをその日の分だけ作って挟めば、その日の物として渡せます。クリアファイル本体は日付の無い絵柄にしておけば、次の現場でもそのまま出せます。
余りの行き先は多い品目です。他のグッズを渡すときの袋になり、通販の同梱物にもなり、名刺代わりに渡すこともできます。発注の数を少し多めに置いても、死ににくいほうです。
相手ごとに、先に決めることが違います
事務所・会社の名前で出すなら、素材(透明か白か)、白版をどこに敷くか、判型の3つを見積書の前に決めてください。版の費用が立つのはオフセットだけなので、数が削られる可能性がある案件はオンデマンドに寄せると形が崩れません。箱の数が枚数ではなく入数で決まる点も、先に社内で共有しておくと受け取りで困りません。
ファン有志の企画なら、許諾の確認が他の品目より少し重くなります。透明な素材は中身が見えるぶん、外から見える面に名前や写真が載ります。何を刷るかを決める前に、名前の表記と写真の使用を確認してください。本人(個人)で作る場合は、薄くて軽いので箱が小さく収まります。自宅で受け取る前提でも置き場所に困りにくい品目です。
相談するときに、こちらが先にうかがう5つ
中に入れる物(または判型)、透明か白か、絵柄の種類、渡す日、箱を受け取れる場所です。全部埋まっていなくて構いません。中に入れる物が決まっていれば、判型と素材はそこから決められます。渡す日だけでも、間に合うかからお答えします。
グッズ作戦室では、白版を部分的に入れる作りのときは、仕上がりの見本を一度お見せしてから製作に入ります。画面で見ている白と、素材に刷った白は別物で、透かした部分の見え方は刷ってからでないと分からないからです。