相談する

トップ / 品目から / ぬいぐるみ

ぬいぐるみを作る|4面図とサンプルの往復、決めきる順番

ぬいぐるみは、この36品目のなかで唯一「売れた数を見てから足す」ができない品目です。版も型も立たないのに、代わりに型紙とサンプルが立ちます。立ち絵が1枚あるだけでは着手できず、横から見た姿と後ろ姿を決めてからでないと1体目が出てきません。ここでは渡す図面、サンプルを直せる回数、手作業ゆえの個体差を、物販で売るときの手順と一緒に並べます。値段と日数をここに置かないのは、どちらも大きさと作りで動くからです。品目と数と日程の3つを書いてもらえれば、その返信で金額と、間に合うかどうかをお返しします。

缶バッジは後から足せます。ぬいぐるみは、足せないぶんを最初に決めます 版も型も立たない品目(缶バッジ・ステッカー) 絵柄 発注 届く 売れた数を見てから種類を足せる ぬいぐるみ 4面図 横と後ろを決める 型紙 形がここで決まる サンプル 1体だけ出てくる 直す 何mm・どの色で 承認 量産 往復は基本3回まで ここから先は、 仕様を変えられない扱いが基本 大きさの段(高さ) 11〜12cm 20cm 30cm 40〜50cm 小さいマスコットのほうが、 まとまった数を求められる 扱いがあります。
図1:型紙が起きたあとは、形を変えると最初に戻ります。だから決める場所が、ほかの品目よりずっと前にあります

立ち絵1枚では、着手できません

最初に渡すのは4面図です。正面・背面・左右の4枚で、左右対称なら3面で足りるという扱いもあります。Illustratorのベクターデータが基本で、画像やPDFなら高い解像度が必要とされています。見積もりの段でも、各部の寸法が書かれていることを求められます。

ここで止まる案件がいちばん多いのは、絵が無いからではありません。立ち絵はあるのに、横から見た頭の厚みと、後ろ髪がどこで終わるか、手足の長さが決まっていないからです。立ち絵は正面しか描いていないので、横と後ろは誰かが決めることになります。

先に決めると早いのは、この3つです。頭を横から見たときに平たいのか丸いのか。後ろ髪は背中に沿って下ろすのか、頭の形に丸めて収めるのか。手足を体に縫い付けて動かないようにするのか、離して垂らすのか。絵を描いた人に聞くのが筋ですが、「ぬいぐるみにするので横と後ろを描いてください」と頼めば済むことが多いので、絵柄が固まる前に一度伝えておくと往復が1回減ります。

こちらに絵柄を送ってもらえれば、横と後ろで決まっていない場所を挙げて、絵を描く人に渡せる質問の形でお返しします。

大きいほうが、少ない数から作れることがあります

大きさの段は、だいたい3つに分かれます。手のひらに乗るマスコット(11cm・12cmあたり)、20cmと30cmの中サイズ、40cmと50cmの大サイズ。1mを超えるものも作られています。

数の向きは、直感と逆になることがあります。20cm以上のぬいぐるみは1体から受けている先があり、20cmより小さいマスコットはまとまった数からという扱いが置かれています。小さいほうが簡単に作れそうに見えますが、小さいほど縫う面が細かく、手で返して詰める作業の難しさが上がるためです。

だから「まず小さいのを少しだけ」は、いちばん通りにくい頼み方です。1体だけ試したいなら20cm以上で。人数ぶん配る物として数を揃えるなら、マスコットの段か、缶バッジのように1個単位の品目に寄せるほうが形が崩れません。金具を付けたキーホルダーの形は、高さ100mmほどを標準として、キャラクターや用途に合わせて変えられる扱いです。

どの段でも、必要な数の刻みは頼む先と形で変わります。数を先に決めてから相談するより、作りたい大きさと、1体だけ試すのか配る数を揃えるのかを書いてもらったほうが早く絞れます。

生地と、顔の作り方

生地はボア系が中心です。毛足が1mm・3mm・5mmと段のあるソフトボア、細い毛のマイクロボア、表面がなめらかなナイレックス、毛の長いフェイクファー、切っても端がほつれないフェルト。詰め物はPPコットンという扱いが多いです。毛足が長いほど柔らかく見えますが、毛が顔の線を覆うので、小さい顔に長い毛を使うと目鼻の位置が沈みます。

顔と絵柄の入れ方は3つです。

  1. 刺繍糸で縫います。糸が盛り上がるので、毛の中に線が沈みません。細い線と小さい文字は糸の太さで決まるので、ロゴの細部は太らせることになります。
  2. プリント生地に刷ります。グラデーションと細い線が出ますが、毛足のある生地だと凹凸で線が沈むので、刷る面だけ毛の短い生地にすることがあります。
  3. 成形パーツ目や鼻をプラスチックのパーツで付けます。つやが出てはっきりしますが、小さい子どもに渡る物では扱いが変わります。

服を着せる形なら、体にそのまま刷る一体型と、別に縫って脱げるようにする作りに分かれます。脱げる服にすると、本体の型紙とは別に服の型紙が立ちます。着せ替えを売りにするのか、1体で完結させるのかは、4面図を描く前に決まっていると往復が減ります。

版も型も立たない代わりに、型紙とサンプルが立ちます

ラバーキーホルダーは金型が立つので、形を変えると型から作り直しになります。ぬいぐるみに金型はありません。代わりに、4面図から起こした型紙と、その型紙で縫った1体目が同じ役目をします。形を変えれば型紙に戻ります。

結果として、缶バッジやステッカーのような「1種類だけ出して、売れた数を見てから2種類目を足す」ができません。最初に形を決めきる品目です。

決まった後は逆に軽くなります。型紙が残るので、同じ形で生地の色だけ変える、服だけ変える、金具を付けてキーホルダーにする、といった2回目は、1回目より短い往復で済みます。続けて売る定番にするなら、この品目は向いています。1回で終わる企画のために形から起こすのは、ほかの品目に比べていちばん重い選び方になります。

数が読めないのに決めきらないといけない、という矛盾の逃げ道が1つあります。受注で集めてから作る形です。画面の向こうに売る相手なら、受注を開けて入った数で作れるので、読む必要そのものが無くなります。会場で売る前提だと、この手は使えません。

サンプルを直せる回数が決まっています

サンプルの修正は基本3回までで、それを超えると別料金という扱いが置かれています。量産に進む前提なら無料という先と、1体ぶんの費用がかかる先の両方があります。

3回という前提で効いてくるのは、直し方です。「かわいくない」「イメージと違う」では1回が消えます。書くのは、どこを・何mm・どの色からどの色に。たとえば「頭の横幅を5mm狭く」「前髪の毛先を3mm下げる」「体の生地をもう1段明るいベージュに」。見た目の感想ではなく、寸法と色で書きます。

そのために先に決めておくのが、サンプルを見る人を1人にすることです。複数で回すと、1回目の指摘がまとまらないまま2回目に入り、3回が足りなくなります。事務所・会社で承認が社内を回る相手なら、「見て意見を言う人」と「最終的に直しを決める人」を分けて、こちらに届く指示は1人からにしてください。

そして、量産が始まったあとの仕様変更とキャンセルはできない扱いが基本です。承認する前に、全部の面を一度見ます。正面だけ見て承認すると、後ろ髪が別物のまま箱で届きます。

ひとつずつ手で作るので、同じ顔にはなりません

ぬいぐるみは手作業で縫って詰めるので、形・表情・大きさに個体差が出るという案内が置かれています。写真との色味の違いや個体差は、交換の対象に入らない扱いが基本です。

これは、売る側が先に書いておけば問題になりません。台の値札と通販の商品ページに、「ひとつずつ手作業で作っているので、表情に少しずつ違いがあります」の一行を置いてください。この一行があると、個体差は欠陥ではなく、どれを選ぶかという楽しみに変わります。無いと、買った人は自分のものだけ違うと受け取ります。

会場で売るなら、袋から出して並べて選ばせる形も取れます。これは差が出る品目にしかできない売り方です。

台の上でいちばん場所を取ります

見本は必ず1体、袋から出してください。買う理由は手ざわりと大きさで、袋に入ったままだと毛足が潰れて見えます。触れる1体を台の手前に置いて、売る分は後ろの箱に置いたままにします。

1人が買うのは1体です。生地の色違いで2種類に割ると、在庫が2つに分かれるだけで総数は増えません。中身を見せずに売る形も向きません。大きさと手ざわりが買う理由なので、見えないと手が出ません。着せ替えの服があるなら、着せた1体と脱いだ1体を並べると、服が別売りだと言わずに伝わります。

箱はこの36品目でいちばん嵩みます。トートバッグやフェイスタオルは畳めば平たく積めますが、ぬいぐるみは潰して積めません。圧縮して梱包する扱いもありますが、開けたあとに形が戻るまで時間がかかるので、当日の朝に開けるのは避けてください。通販は箱になるので、薄い品目と組にすると箱の大きさがぬいぐるみ側に揃います。

布タグと、検針

販売する物には布タグを付ける扱いになっています。刺繍で入れるタグ、1色で刷るタグ、紙の下げ札から選べます。OPP袋と布タグ、全数検品までを含めた形で受けている先もあるので、タグを別に用意するかどうかは見積書の段で確かめることになります。

もう1つが検針です。縫う工程があるので、金属探知機で針の混入を見る検査が入ります。工場での検針に加えて、検査会社に第三者の検針を頼むこともあります。子どもに渡る可能性のある現場で配るなら、ここをどこまでやるかを先に決めてください。缶バッジやアクリルキーホルダーには出てこない工程です。

こちらのお支払いの条件は特定商取引法に基づく表記に書いています。社内の流れが納品後の支払いだけという場合は、そこが合うかを先にすり合わせます。

年号は本体に入れません

刺繍でもプリントでも、本体に「2026」や「◯周年」を入れると、翌年は棚に置きにくい物になります。布タグに年号を入れるのも同じです。日付と回数は、下げ札か、同梱する紙に入れてください。

余りの置き場所は、ほかの品目よりはっきり重く考えます。嵩むので保管の場所を取り、封筒に入れて同梱物に回すこともできません。そのうえ型紙は残るので、余らせるより、少なく作って足すほうが形が崩れません。缶バッジと反対で、足すには往復が1回要りますが、往復が要るのは数ではなく形のほうです。同じ形で数だけ足すなら、型紙が残っている間は軽く済みます。

相手によって変わること

事務所・会社の名前で出すなら、大きさ・生地・顔の作り方(刺繍かプリントか成形パーツか)・サンプルを承認する人の4つを、見積書の前に決めてください。見積書の欄には、型紙とサンプルにかかるものが、量産とは別に並びます。この欄は一度だけなので、同じ形の2回目は立ちません。削られそうな案件なら、形から起こすのではなく、既製の形に刷る品目に寄せるという選び方もできます。布タグと検針をどこまでやるかも、この段で決まります。

ファン有志で作るなら、許諾のほかに1つ増えます。立ち絵しかない状態から横と後ろを決めることになるので、「誰が決めるか」を集金より前に置いてください。集金してから発注する立場だと、サンプルの往復がそのあとに来るので、渡す日からいちばん遠い品目になります。人数ぶん配る物としては、重さと箱の嵩みも効きます。

本人が自分で作るなら、1体から受けてもらえる大きさの段で1種類から試せます。届いた箱の置き場所と、袋詰めを自分の手でやる前提で数を決めてください。

会場で売るなら、年号を入れない1種類を定番にして、在庫を置ける強みがそのまま効きます。型紙が残っているので、売れた分だけ同じ形で作り直せます。

相談するときに、こちらが先にうかがう5つ

  1. 横と後ろが決まっているか立ち絵だけでも大丈夫です。決まっていない場所を挙げて、質問の形でお返しします。
  2. 大きさ1体だけ試すのか、人数ぶん揃えるのかで、向く段が変わります。
  3. 顔の入れ方刺繍・プリント・成形パーツ。絵柄の線の細さで絞れます。
  4. サンプルを見る人直しの指示を出す人を1人決めてください。往復の回数に上限があります。
  5. 渡す日と、おおよその数日付だけでも、間に合うかからお答えします。

グッズ作戦室では、ぬいぐるみは4面図の段階で、横と後ろの決まっていない場所を一度お見せしてから型紙に進みます。

立ち絵が1枚あれば、横と後ろで足りない場所からお出しします。

大きさも数もまだ決まっていなくて大丈夫です。渡したい日と、1体だけ試すのか配る数を揃えるのかが分かれば、向く段からこちらで出します。

本文の内容は一般的な傾向をまとめたものです。実際の仕様・数量・納期は、ご相談内容に応じて個別にご案内します。

は
はるる グッズ作戦室担当。配信者・タレントの周年グッズやライブ物販の相談を、DMベースで受けています。